最近、新聞や雑誌で何かと話題のメタボリック症候群!お昼のテレビ番組でも取り扱われることが多くなりました。

健康に留意している皆様はもうご存知と思いますが、メタボリック症候群、すなわちマルチプルリスクファクター症候群とは、高脂肪食や運動不足といった生活習慣を続けると内臓脂肪が蓄積し、インスリン抵抗性、糖代謝異常、脂質代謝異常、血圧異常といった動脈硬化促進因子(危険因子)が重積、引き続いて動脈硬化性疾患(脳卒中や心筋梗塞など)を発症し易い体にしてしまう症候群と考えられています。

古くは1988年にReavenらがsyndrome Xとして報告したことに端を発します。その後、死の四重奏、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪症候群という概念で次々に報告され、現在では世界的にメタボリック症候群と統一される傾向にあります。本邦でも8つの学会から診断基準委員会が構成され診断基準(下記をご参照ください)が策定され、本格的に管理が必要と考えられるようになっています。

さて、皆様の中にも最近ウエストが大幅に増えたし、検診や人間ドックで血圧が高め、中性脂肪が高め、あるいは血糖が高めと言われた覚えのある方はおられませんか? 幸いにもこれら危険因子が重積した状態では、体は痛い、苦しいなどの苦痛を全く感じることがありません。さらに、高血圧症、高脂血症、糖尿病などの1つの病気として診断される前段階ですので人間ドックや検診では本人任せに注意が促されるだけで放置されているのも現状です。

しかし、この症候群は確実に貴方の体を蝕み始めていて、いざ御対面する時は命に係わる病気(脳卒中や心筋梗塞など)として現れます。 これこそが、この体の状態がサイレントキラーといわれる所以なのです。しかし、長年続けた生活習慣を変えるのは並大抵ではありませんし、ひとりではなかなか難しいと思います。

身に覚えのある方は、お近くのお医者さんに相談してみてはいかがでしょうか?

メタボリック症候群診断基準

必須項目
内臓脂肪蓄積を必須項目にするマーカーとして
 ウエスト周囲径
  男性 85cm以上 女性 90cm以上
小項目
  1. リポ蛋白異常
     血清中性脂肪 150mg/dl以上 または
     HDLコレステロール 40mg/dl未満
  2. 血圧高値
     収縮期血圧 130mmHg以上 
    または
     拡張期血圧 85mmHg以上
  3. 高血糖
     空腹時血糖 110mg/dl以上

必須項目+小項目3項目のうち2項目以上が該当すればメタボリック症候群とする。

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