食道の病気
胸やけ、心窩部(みぞおち)~前胸部あたりの痛みや違和感
逆流性食道炎、咽喉頭逆流症(のどの痛み、空咳)
逆流性食道炎、咽喉頭逆流症(のどの痛み、空咳)
頻度的にはこれが一番多くみられますが、炎症の範囲や程度により症状が異なります。
内視鏡検査で診断を確定してから、酸分泌抑制薬を内服いただきます。
食道カンジダ症
ステロイド吸入薬(喘息治療)・ステロイド内服薬・免疫抑制薬を服用中の方、お酒をたくさん飲まれる方、糖尿病の方、抗菌薬を長期服用中の方などにみられます。
内視鏡検査で診断を確定してから、抗真菌薬を内服いただきます。
食べものや飲みものが前胸部あたりにつかえる、異物感がある
食道がん
まず第一に食道がんの除外が必要です。
最近の研究で、飲酒で顔が赤くなる方(フラッシャ-)・または以前赤くなっていたが今は赤くならないので結構飲めるという方(アルコ-ル代謝酵素ALDH2ヘテロ欠損型の飲酒家)は、飲酒により食道がんのリスクが高くなることが分かっています。
食道がんには前がん病変(異型上皮)の期間があり、これは内視鏡検査でも確認できますので
毎日飲酒される方は一度内視鏡検査で現状を評価することをお勧めします。
好酸球性食道炎
食物アレルギ-により食道粘膜が慢性的に炎症を起こす病気です。
軽症のうちは前胸部あたりの違和感を感じる程度ですが(自覚症状がない場合もあります)、
炎症が長期化すると食道内腔狭窄をきたすことがあります。
※日本人は軽症がほとんどです。
国の難病に指定されており、統計上は5000人に1人とされていますが、内視鏡検査での特徴的な所見が内視鏡施行医に認知されるようになるにつれ、今までなら気付かれなかった症例が徐々に診断されるようになってきています。
気管支喘息、好酸球増多症などのアレルギ-疾患を持っている方で、食べ物のつかえる感じの
ある方は一度内視鏡検査で現状を評価することをお勧めします。
その他
上記の他、食べ物のつかえ感を訴えられる方の原因として多いのは不安神経症によるものです。
内視鏡検査で特に異常がなく症状が持続する場合にはこれを考えます。
※この症状に対して有効な漢方薬がありますので、気になる方はご相談ください。
胃の病気
胃痛、胃もたれ、食欲低下
これらの症状がみられる時は、次のような病気の可能性があります。
いずれもピロリ菌感染と強い関連性がありますので、以下の手順で検査と治療を進めていきます。
- 慢性胃炎
- 胃潰瘍
- 胃がん
- 検査
まず、内視鏡検査で現状評価をして、ピロリ菌感染が疑われるようならピロリ菌感染の有無を調べます。
検査法:内視鏡生検による迅速ウレア-ゼ法、血液や尿検査による抗体測定、尿素呼気試験、便中抗原のうち1つか2つの検査法を用いて診断
- 治療
検査でピロリ菌陽性なら除菌治療(2種類の抗菌薬と1種類の酸分泌抑制薬を1週間内服する治療)を行います。
ピロリ菌は幼少期に感染しますので、両親や祖父母に感染者のいる方で、胃部不快のある方は一度ピロリ菌検査を受けることをお勧めします。
腹痛を伴う病気
腹痛を伴う病気はたくさんありますが、痛みの部位や性状によりある程度しぼり込むことができます。
- 脂っこいものを食べた後の右上腹部の痛み
- 胆石性胆嚢炎、十二指腸炎など
- 脂っこいものを食べた後の心窩部の痛み
- 総胆管結石性胆管炎など
- 飲酒後の上腹部・背部の痛み
- 急性膵炎など
- 右下腹部の痛み
- 虫垂炎、憩室炎、回腸末端炎など
- 下腹部(臍下部)の痛み
- 憩室炎、腸炎、腸管蠕動痛など
- 突然の側腹部から腰部の痛み
- 尿管結石など
- 急に腹部全体が張って痛くなり嘔気を伴う
- 腸閉塞など
- 身の置き所がないくらいの腹部の激痛
- 消化管穿孔、解離性大動脈瘤破裂など
- 検査・治療
画像検査(腹部エコ-やCT)で診断を確定し、血液検査の結果と併せて治療が必要かどうかを判断します。
歩くだけでお腹にひびくような強い腹痛の場合は、緊急手術が必要なこともありますのですぐに医療機関を受診して下さい。
大腸の病気
便秘
器質性便秘
術後の腸管癒着、憩室炎などの腸管炎症後の腸管狭窄、腫瘍による通過障害などが原因となって起こる便秘で手術が必要になることもあります。
機能性便秘
(パーキンソン病などの病気に伴う便秘、抗精神薬・麻薬などの薬剤性便秘を含む)
一般的な便秘は次のように分類されます。
- 弛緩性便秘
- 中高年の女性に多いタイプ。内蔵下垂・腸管過長の人にみられる。
- 痙攣性便秘
- ストレスから便秘と下痢を繰り返す。残便感のみられることが多い。
兎糞状の便になりやすく若い女性にみられるタイプ。 - 直腸性(習慣性)便秘
- 高齢者や便意をこらえることが多い人にみられるタイプ。直腸機能(刺激に対する感受性)の低下が原因。
- 治療
食事療法(食物繊維の摂取)、生活指導(睡眠不足や不規則な生活の改善、日々の適度な運動)が基本になりますが、ここ数年複数の新規作用機序の薬剤が使用可能になったことにより、薬物療法の選択肢が増えました。
従来の薬剤でうまくコントロ-ルできなかった方も、自分にあった薬剤をみつけることで満足のいく排便習慣を得られる可能性があります。平均して3日以上便秘の続く方は、一度受診して下さい。
下痢
- 過敏性腸症候群
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クロ-ン病)
- 慢性膵炎非代償期
- アルコ-ル多飲
- 虚血性腸炎
- 薬剤の副作用
- アレルギ-性
短期間の下痢は感染性のものがほとんどですが、長期間(2~3週間以上)におよぶ場合は上記の鑑別が必要になります。
大腸内視鏡検査を行うことで診断を確定し、原因に応じた治療を行うことが必要です。
血便
- 鮮血
- 痔核出血、直腸からの出血(潰瘍性大腸炎、直腸がん、放射線性直腸炎、直腸潰瘍など)
- 暗赤色
- 大腸憩室出血、出血性腸炎、虚血性腸炎など
- 黒色
- 上部消化管出血(胃潰瘍、胃がん、十二指腸潰瘍など)、小腸出血
- 粘血
- 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クロ-ン病)、アメ-バ-性大腸炎など
- 便潜血
- 痔核、大腸がん、炎症性腸疾患など
一口に血便と言っても上記のように多くの病気の可能性があります。
消化管の出血性病変はエコ-やCTでは診断がつかないため、内視鏡検査が必要です。
血便が出たときは早めに内視鏡検査を受けることをお勧めします。